キカガク ディープラーニングハンズオンセミナーって?
株式会社キカガクが行うセミナーで、3日間でディープラーニングに関する知識を学ぶことができます。
コースは、3種類あり、
・Kerasコース
・PyTorchコース
・Chainerコース
というコースに分かれています。
私はこの中のChainerコースというものに参加してきました。
ディープラーニングとは
ディープラーニングという言葉を最近よく耳にしますが、それがどういうものなのか、わかっていない方もいると思いますので、簡単に説明しようと思います。
機械学習の手法の一つで、深層学習とも呼ばれています。
このディープラーニングと呼ばれる手法は、2012年に行われた画像認識コンテスト(ImageNet Large Scale Visual Recognition Challenge)で有名になりました。
以下がその時の結果です。
順位 | チーム名 | 誤差率 |
1 | SuperVision | 0.15315 |
2 | SuperVision | 0.16422 |
3 | ISI | 0.26172 |
4 | ISI | 0.26602 |
5 | ISI | 0.26646 |
6 | ISI | 0.26952 |
7 | OXFORD_VGG | 0.26979 |
8 | XRCE/INRIA | 0.27058 |
注目してほしいのは、2位と3位の誤差率の差です。
3位以下は、1%未満の争いをしているのに対し、2位と3位では、10%以上の差が開いています。
このことが話題となり、"ディープラーニング"が有名になりました。
また、ディープラーニングでは、名前の通り、"層"を深くすることで、精度を向上させてきました。
2012年の大会優勝チームのSuperVisionは当時8層で優勝しましたが、年々、層は深くなり、現在では、層がかなり深くなっています。
チーム名 | 層の数 | 功績 |
SuperVision | 8層 | 2012年 優勝 |
GoogleNet | 22層 | 2014年 優勝 |
VGGNet | 19層 | 2014年 準優勝 |
MSRA (ResNet) | 152層 | 2015年 優勝 |
SENet | 152層 | 2017年 優勝 |
ディープラーニングがどういうものなのか、うまく説明はできていないと思いますが、どれだけ魅力的なものなのかということは、お伝え出来たかと思います。
セミナーの受講を考えている方へ
下にも書いていますが、事前学習として、Udemyの動画コースの
【キカガク流】人工知能・機械学習 脱ブラックボックス講座 - 初級編 - と - 中級編 -
を学習してから、セミナーを受講します。
セミナーの進め方は、この事前学習動画と同じような形式で進むため、学習を迷っているのであれば、
Udemyで動画を購入して、セミナーを体験してみるのも良いかと思います。
料金は、15,000円ほどするため、高額ではありますが、
Udemyの場合、セールを行っていることが多く、90%OFFで購入できるため、1,500円ほどで購入ができます。
セミナーの料金が200,000円から300,000円するため、迷っているのであれば体験しておくことをお勧めします。
また、この記事を最後まで読み、参考にしてもらえると嬉しいです。
持参するもの
個人のPCでやりたい場合は、PCは必要ですが、
持っていない場合は、貸与してもらうことが可能です。
講習内容で作成する環境もAzure上に作成するため、貸与品でも問題はないですが、個人のPCがある場合は、持って行った方が無難だと思います。
また、お弁当やお茶などは持参不要です。
毎朝、水が1本支給され、お昼になると、お弁当とお茶が支給されるため、基本的には、メモ帳とペンだけあれば十分だと思います。
(普段PCでメモを取る方の場合でも図形などを書く場合があるため、メモ帳を持って行った方が良いです。)
事前学習
セミナーは、9:30~17:30に行われ、3日間開催されます。
対象は、ITの知識の全くないような人も対象としているようですが、期間が3日間のため、あらかじめ事前学習が必要なようです。
セミナーの申し込みをすると、キカガクよりメールが送信され、Udemyの動画で事前学習するように指示されます。
指示されたのは、以下の2つでした。
・【キカガク流】人工知能・機械学習 脱ブラックボックス講座 - 初級編 -
・【キカガク流】人工知能・機械学習 脱ブラックボックス講座 - 中級編 -
両方とも、15000円を超える動画ですが、無料コードを送信されるので、ここでの料金は発生しません。
事前学習の内容は、
・機械学習に使用する数学の知識が8割
・基礎的な概念・知識が1割
・pythonの環境構築(Anaconda)、基本構文が1割
のような感じです。
動画時間は、両方とも4.5時間あるため、動画を合計で9時間視聴する必要があり、理解しながら進めなければならないため、事前知識が全くない方は半日ほどかかると考えてよいでしょう。
事前学習の時間が長いですが、セミナー自体は、事前学習の内容を理解した前提で進めるため、しっかりと勉強してから、受講しましょう。
事前学習は必ずやってからセミナーを受講しましょう!
学習内容
初日は、事前学習のテストや、解説などでほとんど終わってしまうため、2日目、3日目から新しい内容を学習していきます。
セミナーでは、資料が渡され、(Basic認証付きのWEBサイト)そこに書かれた資料を基に勧めます。
講師の方が、スクリーンに映した画面と渡された資料を見ながら、写経をしていきます。
そのコードの解説をしながら進めていきますが、わからない人に合わせるのではなく、わかる人に合わせるためペースは少し早めです。
(わからない人には、別の講師の方が個別に教えていました)
開発環境ですが、機械学習を行うためには高価なGPUが必要とのことで、Azureを使用しました。
Azureで使用することのできる5万円分がチャージされたアカウントが発行されます。
このアカウントは、5万円分を使い切るか、利用から3か月経過すると、アカウントが停止されてしまうようです。
そこで起動した環境にsshし、dockerを使用し、環境構築を行いました。
講義の内容は、
・ニューラルネットワークの構築(分類と回帰の両方)
・画像解析
・時系列解析
・自然言語処理の基礎
・文書分類
・Seq2Seqでの文書生成
などをやったと思います。
基本的には写経だったため、難易度はそれほど高くなかったです。
講習終了後には、課題が一つ課せられます。
犬と猫の画像データ、それぞれ50枚を使用し、画像の分類を行うCNNを作成し、解析率70%を超えろ、という課題なのですが、学んだ基礎的な形に水増し学習を加えれば簡単に超えてしまうため、こちらも簡単に終了しました。
しかし、Azureの利用期間の3か月が経過してしまうと、課題を行えなくなってしまうため、早めに終わらせてしまったほうがよさそうです。
E資格って?
コースには、20万円かかる通常コース以外に、
E資格受験コースという30万円かかるコースがあります。
E資格受験コースでは、補助動画がついてきます。
セミナー受講後、課題を提出することで、動画を送信してもらえ、すべての補助動画を見終えたことを報告すると、E資格の受験資格を得られるようです。
E資格の受験資格を受けるには、このキカガクの開催するセミナーやAVILENの開催するセミナーなどのに参加する必要があり、講習を受けたほとんどの人がこの資格目的で受講していました。
しかし、このE資格という資格は、まだ資格の歴史が浅く、知名度が低いため、この資格を受験するならG検定の方がまだ良いのではないかと思います。
また、受験資格得るためだけに30万円もかかり、知名度も低いので、そこまでの価値があるのかと感じました。
参加してみた感想
正直、参加する必要なかったな、というのが正直な感想です。
基本的に行う内容は、資料の内容にすべて書いてあり、躓くようなポイントもほとんどないため、ハンズオンである必要もなく資料さえあればできてしまうため、20万円という料金はかなり高かったなという印象です。
とは言っても、セミナーに参加していなかったら、資料があったとしても自ら勉強に取り組めたかと言われれば、そうでもないわけで。
基礎を理解できれば、その後は、個人で学習を進めやすい、ということを考えれば全くの無駄ではなかったのかな、とも感じています。
ただ、もしこれを受講したら、AIエンジニアになれると考えているのであれば、間違いです。
あくまで、入門しやすくなる、という意味では効果があったかもしれませんが、その後、さらに学習を続けなければその先はないです。
そのため、講習を受講して得られることは、
・機械学習の入門がしやすくなる
・機械学習に関する資料、基礎知識を得られる
といったところです。
20万円という大金を払って、受講する価値があるかどうかはよく考えたほうが良いかと思います。
また、こちらで得られる資料ですが、それ自体を公開することはできないのですが、
それとほぼ同レベルの資料が公開されているため、そちらで学習することをおすすめします。
その資料はchainerチュートリアルというもので、この作成にはキカガクも絡んでいるため、似たような資料になっているようです。
このレベルの資料が料金不要、会員登録不要で利用できてしまって良いのかなと思ってしまうくらいお勧めです。
https://tutorials.chainer.org/ja/tutorial.html